三人寄ればボンジュールの知恵
大の大人が3人もいて、知ってるフランス語はボンジュールだけかよ!
かつてクレアといういささか不遇なアイドルグループがあった。
歌ものアイドルが報われない、いわゆるアイドル冬の時代に活動したアイドル。
フジテレビがバックアップしていた乙女塾からのデビューだったが、実際にCDデビューしたのは、乙女塾の母体となった「パラダイスGOGO」という番組の放送が終了してしまった後で、番組によるフォローを受けられなかった。
カルピスソーダのCMに曲が採用されたものの、事前のタイアップではなかったため、その年の春に出したばかりのシングル曲を、CMソングとして同じ年の夏に改題して再度ニューシングルとして出すという手際の悪さ。
それでも、この曲がそれなりに認知されて、ようやく活動が軌道に乗るかと思われた矢先に、活動歴3年で解散。
そんなグループだった。
もっとも、私は出遅れたファンで、結果から見ると、その活動の後半になってから、ようやくその魅力を知ったというに過ぎない。
デビューから1年以上、その存在にほとんど注目していなかったし、その前史である乙女塾時代のことなど、全く知らない。「パラGO」は見てなかったし。
私がクレアに急速に心ひかれたきっかけは、当時深夜に放送されていたあるアイドル番組の月替わりのエンディング曲に、彼女たちの「リボンのないプレゼント」という曲が採用され、それを偶然目にしたことだった。
この曲はシングルカットされた曲ではないが、この曲を含むミニアルバム「サンクチュアリ」が、全編(それ以前の曲も数曲含めて)映像化されて「ノエル」というタイトルでビデオが発売されており、その中に収録された映像がエンディングに使用されていたのだった。
というようなことを、なぜ突然書き始めたかというと、クライストチャーチの地震である。
実は、「ノエル」というビデオはニュージーランドで撮影されたもの。
それも、クライストチャーチで。
今回の地震で、クライストチャーチの大聖堂の尖塔が倒壊している映像が流れたが、「リボンのないプレゼント」の映像の冒頭に、まさにその大聖堂の姿が映るのである。
また、「ノエル」の宣伝用写真も大聖堂をバックにしたメンバー3人の姿だった。
無残な姿になった大聖堂の映像を見た瞬間に、そのことを思い出したのである。
一度も行ったことのないニュージーランド、そしてクライストチャーチ大聖堂だが、そんなわけで、私にとっては≪聖地≫だ。
それがこんなことになるなんて、悲しくて仕方がない。
それでも大聖堂などは、歴史的建造物として、いずれは従前のように再建されるのであろう。
だが、クレアの3人が駆けめぐったあの街並みは、元の姿には戻るまい。
もちろん、ビデオの撮影からは既に20年近くが経っているので、地震以前に姿は変わっていたではあろうが、そうであっても、地震による破壊には心が痛む。
いまだ救出されていない人々が、一人でも多く救い出されることを。
そして、不幸にも命を落とした方々に哀悼の意を表するとともに、街並みの復興のなることを切に祈念する。


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