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October 15, 2009

ゾンビ分脈

由緒正しき家系のゾンビ。

現在使用しているauの携帯電話のサービスのひとつとして「おはよう映画です」という映画の予告編を配信してくれるものがあって、それに登録してあるので週に3回、予告編が届く。
そのサービスで、この映画の予告編が送られてきたので、ついつい観に行ってしまった。

「斬撃 ZANGEKI」

タイトルで予想がつきますね?
セガールですよ、セガール!
今度の敵はゾンビだ!

謎のウイルスの蔓延によって、感染者が生血を求めるゾンビと化すという事態が発生。
特効薬はなく、人口の半分が感染者となってしまう。
国家が有効な対策を打てないため、民間人の自警団=ゾンビ・ハンターが形成される。
そんな中、最悪の感染地域の中に建つ病院に6人の非感染者が生存していた。
セガール演じるタオ(苦笑)が率いるハンターたちも、その病院のゾンビの掃討作戦を実行しようとしていた。
一方、政府は昼間は建物内に身を隠しているゾンビたちを一気に始末するために、建物をピンポイント爆撃しようとしていた。
爆撃のターゲットは生存者とハンターのいる病院。
果たして、彼らは爆撃までに病院を脱出できるのか?

まあ、こう書けばわかるように、セガール版「バイオハザード」だ。
主人公がセガールでは色気皆無だが、あのセガールがゾンビを斬りまくるというのは、見たいじゃありませんか。

ところがまあ、ひどい脚本でね。

何がひどいって、6人の生存者とゾンビ・ハンターと政府・軍部の動きが、何ひとつとして噛み合っていないのだ。

6人の生存者は武器も通信手段も持っていない連中で、したがって、彼らは外部に連絡を取って救出を求めたわけではない。
ハンターは、政府に協力もしているが、基本的に自分たちだけで勝手に行動している。
だから、病院に行ったのもたまたまで、生存者を救出に行ったわけではない。
ハンターは政府の担当者と通信するための通信機を持っていたが、途中でそれが壊れてからは、相互の連絡は取れなくなっている。
そのため、ハンターたちは、自分たちがいる病院が軍によって爆撃されるということを知らない。

つまり、セガールを含むハンターたちには生存者を救出するという目的意識はないし、爆撃されるまでに事態を打開して逃げなければならないという認識もないのだ。

そんなんで、どこにサスペンスが生まれるというのだ?

おまけに、ハンターたちは、ゾンビを掃討することの方が優先事項で、生存者の危機を救いはするが、救った後はほったらかし。
だから、すぐにまた病院内でちりぢりになってしまう。
しかも、最後の最後になるまで、武器を分けてやりもしない。

まあ、その辺は大目に見たっていい。

とにかくセガールvsゾンビですよ、見どころはね。
ワラワラと押し寄せるゾンビを、セガールが刀でザンザン斬りまくってくれれば、満足なわけですよ、私は。

それなのに、見せ場が少なすぎだろ、これじゃ。

武器も持たずにゾンビから逃げ惑うだけの6人の生存者の姿なんてのはね、普通のホラー映画でやればいいことなのだよ。
これはセガール映画なんだから、セガールにゾンビを斬らせろよ、もっと。

ちなみに、便宜上≪ゾンビ≫と書いているが、実際には、映画の中での様子は異なる。
感染者は人肉も食うが、どちらかと言えば吸血鬼だ。
ドラキュラのように日光によって死んだりはしないが、昼間は建物の中に隠れている。
ゾンビと違って死体は蘇らない。
だから、外見もゾンビの死体っぽさはない。
普通に殺せる。
逆に言えば、感染した人間なので、知恵はある。

そんなわけで、最後の方に、感染しても完全に知能を残したままの者が現われて、我々は進化して、組織的行動もとれるのだぞ、というようなことを言ったりするのだが、せっかくのその設定を全く生かせていない。

何らかの形で生存者の存在を知った政府の担当者が、軍が爆撃の方針を打ち出して前線部隊を撤退させてしまったので、代わりに民間のハンターを救出に向かわせる、ハンターは無事生存者と合流するが、進化した感染者たちの巧みな攻撃で、なかなか病院から脱出できない、その間に爆撃のタイムリミットが迫ってくる。

というような話にすっきりとまとめれば、十分楽しめる素材だったのに。

残念な作品であった。

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