カネで来たウルトラマン
地球の平和も銭次第。
以前買ってそのままになっていたDVDを観る。
「大怪獣出現」
カリフォルニア州のソルトン湖のそばにはアメリカ軍の研究所があり、極秘に核実験が行われていた。
また、研究所と隣接した軍の基地では、ソルトン湖を利用したパラシュート部隊の水上降下訓練が繰り返されていた。
ソルトン湖周辺が地震に見舞われた直後、ソルトン湖にパラシュート降下した兵士と、それを回収する船の乗組員が行方不明になる。
新任のトゥイリンジャー司令官が調査に向かうと、全身の体液を抜かれた死体と謎の粘液の付着した船が発見される。
事態を重く見たトゥイリンジャーは保安官と協力して湖を遊泳禁止とするが、夜中にこっそり泳ぎに出かけた兵士とその恋人が再び犠牲になる。
再度調査に出かけたトゥイリンジャーと研究所のロジャース博士たちは、謎の生物とその卵を発見する。
ロジャース博士はその生物を太古のカタツムリの一種と考え、カタツムリの生態から考えて、まだ多くの卵が存在するはずで、早くその巣を見つけ出して破壊しなければ、増殖する可能性があり、特に湖からそばの運河に入り込んだら、手に負えなくなると警告する。
かくして、怪物駆除作戦が開始されるが、肝心の巣がなかなか見つからない。
そんな時、博物館長が見つけ出した古い資料により、湖とつながった古い地下水路の存在が判明し、その上流を調査すると、そこに巣が見つかる。
トゥイリンジャーたちがその巣を破壊した頃、研究所では最初に発見された卵が孵化し、研究所の女性事務員のゲイルを襲っていた。
基地に戻ったトゥイリンジャーによって、間一髪、怪物は倒され、ついにソルトン湖に平和が戻ったのであった。
というような作品。
1957年のアメリカ映画。
中子真治の「超SF映画」では≪放射能の影響で巨大化したイモ虫の怪物≫と書かれているが、上記のように、カタツムリのような軟体動物と説明されている。
カタツムリ同様の巻貝を背負った姿も登場するし。
ただし、巻貝のない個体もいて、特に顔の造形はイモ虫にしか見えないという難点はある。
また、別に放射能で巨大化したとは言っていない。
地層内に眠っていた卵が放射線に耐性を持っていたため、実験による放射線濃度の上昇が、孵化できる条件を作ったというように語られている。
だいたい巨大と言っても、体長3mくらいなもんである。
その点で「大怪獣出現」というのは、看板に偽りありですな。
まあ、原題は「THE MONSTER THAT CHALLENGED THE WORLD」なので、邦題を付けた奴が悪いのだが。
あ、でも「世界に挑んだ怪獣」というのも、大げさすぎるが。
なにしろ、人間の攻撃を跳ね返す“不死身性”は持ってないし、殺すのは、そんなに大変ではない。
ただ、陸にも上がれる水中生物で、巣が見つからないので、話が長引いているだけ。
パニックになるという理由で市民には情報を開示していないので、危機感のない奴が時々犠牲になるだけで、実際のところ、それほど大事にはならない。
それどころか、トゥイリンジャー司令官自身がゲイルを口説いてデートしたりしてるくらいだ。
それも怪物捜索の最中に抜け出して(苦笑)
ちなみに、デートしてるレストランには店の中に井戸があって、ゲイルがそこにコインを投げて願い事をするというシーンがあるのだが、そんなシーンがあったら、後でそこから怪獣が出て来て街がパニックになるという伏線かと思うところだが、結局そんなシーンはなくてガッカリ。
84分の映画で、司令官がデートしてるヒマがあるくらいだから、あまり緊迫感はない。
新種の猛獣を軍が始末しました、という程度でしかない。
ちなみに、日本では43分の短縮版に「大怪獣メギラ」という邦題をつけて公開されたそうだが、たぶんそれで充分だ。
ウルトラシリーズなら、同じ内容をその半分で作ってるぞ。
ちなみに、トゥイリンジャー司令官を演じているティム・ボルトという役者は、藤田進に顔がそっくり。
杓子定規な堅物と誤解されて、周囲から煙たがられているという設定なのだが、そこまで藤田進的だ。
日本でもアメリカでも、ああいうのが軍人らしい顔なのかな(笑)
よほど怪獣映画が好きな人以外にはお勧めしない。


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