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March 17, 2009

キーラの仁吉

兄貴、いつから目が光るようになったんで?

ヨーロッパの珍しい国の映画と言えば。

一ヶ月少々前、現在全国を巡回中の≪よみがえる黄金文明展~ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝~≫という展覧会を観に行った。
もちろん、例によって、ライオンのモチーフを探しに行ったのだが、まあ、それはおいておこう。
いや、少し触れておくと、ギリシャ・ローマ風とペルシャ風が混じり合った、いかにも両者の間に位置するバルカン半島らしい様子が見られて、興味深かった。

ところで、ブルガリアなどという国は、明治ブルガリアヨーグルトを除けば、ほとんどの日本人にとっては縁遠いものだ。
当然、その歴史も、よくわからない。
私自身は、高校の世界史で習った、東方からブルガール族がバルカン半島に侵入して生まれたのがブルガリアで、部族名が国名の由来である、という程度の知識しかない。

そんなわけで、展覧会の図録には、ブルガリアの歴史が概説されているのだが、それによれば、ブルガリアの建国は西暦681年で、今回の展覧会のタイトルにもある紀元前に栄えたトラキア人とは直接の結びつきはないという。
上記のブルガール族は、6~7世紀にアゾフ海周辺にクブラト・ハンを中心とする国家を形成していたが、クブラト・ハンの死後5人の子による後継者争いで国家は崩壊。やがて、クブラト・ハンの第3子であるアスパルフが一族とともに黒海北岸を西進し、バルカン地方に侵入。当地に居住していたスラブ族と同盟し、コンスタンディノス4世治下のビザンツ帝国と対抗するようになる。ビザンツ帝国は、ブルガール=スラブ同盟による帝国領の侵食に対して、大軍を送り彼らを壊滅させようとするが、逆に大敗を喫し、ブルガール=スラブ連合国家の成立を承認せざるを得なくなる。その時が681年、ということになるわけだが。

ハン(汗)のアスパルフ?

おお、そうじゃ。

今を去ること24年も前、第1回の東京国際映画祭の一部門にNTTベスト30アラウンド・ザ・ワールドという企画があって、その中の1本に「カーン・アスパルカ」という映画があって、私はそれを観ていたのであった。
副題に≪ブルガリア建国の王≫とついていたのに、すっかり忘れていた。

確かに上記のようなストーリーだったよ。
父の死と兄弟の内紛、それを逃れてバルカン地方に到達したアスパルカが、スラブ人と手を結び、東ローマ帝国の軍勢を撃退する、そんな映画だったよ。

社会主義国家らしいマスゲームのような人海戦術で撮影された(要するにエキストラの数が膨大)ローマ軍との戦争シーンの迫力だけは記憶しているが、ストーリーは忘れていた。

まあ、ブルガリアについての基礎知識がなかったからなぁ、映画を観た時には。
図録を見て、およその筋をやっと思い出したよ。

というか、初めて話を理解したよ。

24年ぶりにすっきりした。

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石松の不安

最近、親分の考えてることがわからなくなってきたんだ……

考えてみれば、まだ今年になって劇場で映画を観ていないのであった。
そう気がついて、なかば強引に映画を観に行くことにする。

「ホルテンさんのはじめての冒険」

思わず「はじめてのおつかい」と言ってしまいそうになるタイトルである。
必ずしも的確な邦題ではない気がする。
原題は「O'HORTEN」だし。

主人公のオッド・ホルテンは、鉄道の運転士。
その40年にわたる謹厳実直な仕事ぶりで、定年退職を目前にして、≪銀の機関車賞≫を与えられるほどの真面目な人物。
ところがひょんなことで、定年退職の当日に遅刻をし、記念すべき最終乗務の列車に乗り損ねてしまう。
それをきっかけに人生を考え直すホルテンの前に現われる様々な人物。
そして、ホルテンはある決断をする。

というような話。

話の落しどころは、映画を観初めてすぐに見当はつく。
そして、その直前にホルテンが行うある行為も、数少ないホルテンのセリフの中から、容易に想像がつく。

しかし、そういうことはどうでもいいと言える。
映画の描写自体、そこのところはあっさり処理しているし。

あっさりと言えば、いくらでもクドくすることが出来る素材が含まれているが、一切派手な事件にせずに、地味に淡々と描いている。
空港の場面とか、アメリカ映画なら、これでもかと面白くしようとするだろうが、決してそんなことはしない。
おまけに、こういう映画でありながら、感動を強要したりしないし、教訓めいたことも、ほとんど言わない。

唯一それらしいのは、ホルテンが出会う自称元外交官の男の

「人生は手遅ればかりだが、逆に言えば、何にだって間に合う」

という言葉くらいだろう。

というようなことは誰もが抱く感想だろうから、別のことを。

この映画はノルウェー映画で、記憶にある限りでは、私にとっては初めてのノルウェー映画だ。

で、ノルウェーなので、ホルテンが運転する列車ももちろんノルウェーのもの。
オスロとベルゲンを結ぶ≪ベルゲン急行≫という列車があるそうだが、ホルテンはこれを運転している。

「定年退職する真面目な運転士の物語」というあらすじから、てっきり鄙びたローカル線をイメージしていたのだが、最新鋭の機関車を運転していて、ちょっと意表をつかれる。

冒頭のタイトルバックで、そのベルゲン急行が走っていくシーンが、とても良い。

雪原とトンネルが交互に現われ、トンネルの闇にスタッフ・キャストの名前が次々に浮かぶ。
トンネルを出て、真っ白な世界になると、文字は消える。
ちなみに、この間は、数カット列車の俯瞰が入るが、あとは運転席目線で「電車でGO!」状態。

オスロにあるホルテンの家は線路脇にあって、しょっちゅう列車が通過する。

操車場も出てくるし、≪鉄≫な人にはたまらないんじゃなかろうか。

映画の中にも≪鉄≫な人が出てくる。

定年退職するホルテンの送別会の余興が素晴らしい。

機関車の音を聞かせてどの機関車のものか当てさせたり、駅のアナウンスを聞かせてこのアナウンスの路線にはいくつ鉄橋があるか当てさせたり……

そうか、ノルウェーにも≪音鉄≫がいるのか(笑)
しかも、出題者自らがオープンリールのテープを編集して作ってるというところが、最高である。

運転士仲間が全員で、表彰されたホルテンに対して、日本ならば万歳三唱をする場面で、「シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、ポポー」と機関車のマネをするという、もし本当のノルウェーの鉄道でもやっていることなら敬意を表したくなるようなシーンもある。

といっても、そんなシーンばかりではないので、≪鉄≫にしか興味がない人にはお奨めしないが、鉄分のある人には、観て損のない映画だと思う。

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March 15, 2009

オグリビーと

ワシが死んだら、死装束は、あのベンジャミン・オグリビーのサイン入りの近鉄バファローズのユニフォームにしてくれ。

先日、知り合いと話していて、どうやったら地上デジタル放送が見られるのか、と聞かれた。

私には、答えようのない質問である。

なぜなら、アナログ放送が停止になったら、それを機会にテレビを見るのをやめようと考え、一切地上デジタル放送への対応をとっていないからだ。

と言っても、私は、別にテレビが嫌いなわけではない。
どちらかと言えば、テレビ好きだ。

大学に入学して一人暮らしを始めるまで、実家ではあまりテレビを見せてもらえなかった。
厳しく制限されていたわけではないが、≪真面目な≫番組以外は、いい顔をされなかったし、私自身も、そうテレビを欲してはいなかった。

一人暮らしを始めた当初も、下宿にはテレビを置かず、半年ぐらいはそれで過ごしていた。

しかし、下宿の近所の救世軍のバザーで白黒テレビを買って以降、帰宅するやテレビのスイッチを入れる、という生活になってしまった。
一人じゃ間が持たない、というか、どうも何となく退屈というか、そういう時間をつぶすのに、テレビは最適だったのだ。
実家時代の反動もあっただろう。

だから、老人が、今のテレビにはわれわれ高齢者が見たいような番組がないと嘆く気持ちは、よくわかる。
具体的に何かを見たいわけではないのだ。
社会から離れて、時間を持て余している、あとは死ぬだけの人間にとって、テレビは無聊を慰めつつ、どこか社会とのつながりも感じさせる、大事な道具なのだ。

もっとも、今のテレビはくだらないという批判は、的外れだろう。
テレビはくだらないことに価値があるのだ。
何かを学びたいなら、テレビなんて安直な手段によらず、自分の足で調査して回ったり、自分で本を読めば良いのだ。
自分の趣味に合わないものを何でもくだらないと斬り捨てているだけなら、それはただの傲慢でしかないし。

日常に疲れた頭を、酒でも飲みながらくだらないテレビ番組を見ることでリラックスさせるのが、テレビの数少ない存在価値というものではないだろうか。

とは言え、まだ何事もなしとげていない半人前の人間である私が、老人のようにテレビの前で半分死んでいる場合ではないだろうと、最近つくづく思うようになった。
そこへ、地上デジタル放送への完全移行にともなうアナログ放送の停止という事態が訪れた。

これぞ神の配剤である。

神がわざわざ私のためにテレビ放送を受信できなくしてくれるのだ。

ありがたいことである。
感謝に堪えない。

しかも、既に、ケータイのワンセグ放送は現在の居住地では見られない状態である。

神のやることには遺漏がない。
さすがは万能の神である。

実に喜ばしい。

しかし、職場では新聞をとっているものの、個人としては新聞をとるのを既にやめているところに、今度はテレビを見るのもやめる。
ネットで配信されるニュースは、見出しだけで中身がない。

物凄く世間を知らない人間になってしまいそうな気はする。

別にいいけど。

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March 04, 2009

アメンホテップ地位固まる

やっとファラオに成れたよ。

2月は、仕事で練馬に通っていた。
と言っても、週に1回、3週間、つまり3日間だけだが。

さて、自宅のある青梅から練馬まで行く方法だが。

これが、行先が立川なら、別に考えることもない。
JR青梅線の青梅駅から立川駅までストレートに行けば良いだけのことだ。

もちろん、所要時間を問わなければ、経路は無限にある。

青梅から立川まで路線バスだけで行く(逆は経験済み)とか、拝島から八高線で八王子を経由したり、高麗川を経由したり、あるいは、拝島から西武線に乗り換えて、玉川上水で多摩都市モノレールに乗り換えたり、などなど。

とは言え、仕事でとなれば、ストレートに青梅線一本で行く方法を選ぶだろう。

しかし、青梅と練馬では、ストレートに行く方法はない。
必ず乗換えが必要だ。
その際、あまり所要時間に差がない方法が、複数存在している。

そこで、お遊びとして、3日間の行き帰り、合計6回を、全て違う経路を通ることにした。
一切重複なしと言うわけではないが、同じルートはとらないことにした。

初日。
まず行きは、JR青梅駅から青梅特快に乗って新宿まで行き、そこで都営地下鉄大江戸線の新宿駅に行き、そこから練馬まで行く。

これが最も乗り換えの少ない方法だ(1回)。

注意するのは、JR新宿駅から大江戸線新宿西口駅に行ってしまわないこと。
たまにしか利用しないもので、実は私は時々間違える。
間違えても、乗り換え回数1回で練馬にたどり着けるが、その場合は一度反対方向へ都心を一周しなければいけなくなるので時間がかかる。
時間をかけないようにしようとすると、都庁前駅での乗換えが必要になるので、乗り換え回数が2回に増える。

それにしても、難点は、乗り換えの所要時間がかかることだな。
つまり、移動距離が、非常に長い。
途中でイヤになる。

さて、仕事を終えての帰り。
練馬からバスに乗ったことがないので、練馬駅前のバスターミナルを物色。
あまりうまい路線のバスがなく、仕方がないので荻窪駅前行きのバスに乗る。
荻窪からはJRで青梅まで帰る。

バスの中の暇つぶしに、ケータイのアプリケーションを使って、現在位置のGPS表示をしながら乗ってみる。
この練馬―荻窪間のバス路線周辺に土地勘がない私には、地図で周辺に何があるのか分かって興味深い。
ただ、現在位置の表示が、10メートルほどずれる。
これでは、バスは家屋をなぎ倒しながら走っていることになる。
これは、バスが移動しているからと言うよりも、バスという金属の塊の内部にいるので、電波の受信状況が良くないことによるものだろう。

ちなみに、バッテリーが少し減っている状態で使用したので、バスを降りてすぐにバッテリーがあがってしまった。

2日目。
行きは、JR青梅駅から青梅線で拝島まで行き、西武線に乗り換え。各駅停車で西武拝島線・新宿線と経由して中井駅下車。大江戸線に乗り換え、練馬に行く。

西武新宿線の中井駅から大江戸線の中井駅までの乗り換えは、一度駅を出て、商店街を歩いていかなければならない。
JR武蔵野線新秋津駅から西武池袋線秋津駅への乗り換えも、同じように駅の外に出て一般道を歩かないといけないが、あちらは駅名が異なっている。
こちらは駅名が同じなのにこの状態というのは、なんだか釈然としない。

もっとも、JR新宿駅から大江戸線新宿駅までの移動距離と比べれば、こちらの方が絶対短いが。

帰りは、西武池袋線練馬駅から飯能駅まで行き、そこから路線バスで東青梅駅前へ。東青梅から青梅まで、1駅だけJR青梅線に乗る。

飯能からのこの路線バスは本数が少ないので、50分ほど待つことになる。
書店で本を買って、駅ビル内のスターバックスで時間つぶし。
向いの席に参考書を広げた女子高生2人。
「ここで10時まで勉強するつもりだったけど…」とか言いながら、ずっとしゃべってる。
なんだか懐かしい姿だが、そんなんじゃ来年は予備校生だぞ。
家に帰って勉強しな。
絶対にその方が効率が良いから。

最終3日目。
行きはやはり拝島駅でJRから西武線に乗換え。
小川駅で西武国分寺線に乗り換えて所沢へ。
所沢駅から西武池袋線に乗り換えて練馬へ。

帰りは大江戸線で練馬から中井へ。
中井駅から西武新宿線で西武柳沢駅へ。
柳沢駅前から都営バスで青梅駅前へ。

青梅起点で考えた場合、このルートだと、行きと帰りで一度も同じ所を通らない一筆書きにできる。

まあ、バスが何ヶ所かで線路と交差するが、それは大目に見ておくれ。

ちなみに地図で見ると、柳沢駅前発青梅車庫行きのバスは、西武新宿線・西武多摩湖線・JR武蔵野線・西武国分寺線・西武拝島線・JR八高線・JR青梅線と8回ほど交差する。
このうち、行きに通過した場所と交差するのは、東大和市駅付近での西武拝島線、東青梅駅付近でのJR青梅線の2ヶ所。

まあ、合格でしょ(何が?)

さて、バスへの乗り換えだが、このバスも本数が少ないので40分ばかりバス待ちをすることになる。
その間、駅の周辺を少しウロウロしてみたが、あまり賑やかな所とは言い難い。
商店街があるが、微妙に淋しい。
喫茶店か何かないかと思って探していたのだが、ちょうどいいような店がない。
駅の中にも何もないし。
どうしてここがバスターミナル(関東バスの吉祥寺駅北口・三鷹駅北口行きもある)になっているのか、前々から不思議なのだが、より一層不思議さが増した。

ま、とにかく、これで練馬での仕事はお役御免。
当分行くことはないだろうが、次があったら、どういうコースにしようか?

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