ドン・カン
いちいち人からスケコマシと言われることを気にしていては、色男はつとまらんよ。
久しぶりに映画。
「ジャンパー」
アメリカの田舎町に住む凡庸な青年・デヴィッド。
母親は彼が5歳の時に失踪、父親はそれ以来酒びたりで、父子2人の家庭の雰囲気は最悪だ。
だが、ある事件をきっかけに、自分に瞬間移動能力が備わっていることに気づいたデヴィッドは、この力があれば今の鬱屈した生活から抜け出せると考え、ニューヨークへと家出をする。
そして、能力を使って銀行の金を盗み出したデヴィッドは、高級マンションに住み、気分次第で世界中を≪ジャンプ≫して歩く気ままな生活を送っていた。
そんな彼の前にローランドという男が現れ、襲い掛かってくる。
訳のわからないまま、辛くも脱出に成功したデヴィッドは、故郷に戻り、かつて恋心を抱いていたミリーと再開、彼女を誘ってローマ旅行に出掛ける。
だが、そこに待ち受けていたのはローランドの仲間たちと、≪ジャンパー≫のグリフィン。
グリフィンから、ローランドたちは≪ジャンパー≫抹殺を使命とする≪パラディン≫という組織のメンバーで、自分は彼らと闘っているということを聞かされるデヴィッド。
デヴィッドは≪パラディン≫の攻撃はかわしたものの、地元ローマの警察に逮捕されてしまう。
その彼を救いに来たのは、失踪した母親だった。
ローマの危機は脱したものの、≪パラディン≫との闘いにミリーを巻き込んでしまったことを知ったデヴィッドは、ローランドに闘いを挑まざるを得なくなるのであった。
ちょっと長ったらしくなってしまったが、こんな映画。
パンフレットの中で山口直樹という人物が書いている解説にあるように、瞬間移動を中心にした映画は過去にあまりない。
CGのない時代には、画面が切り替わったら場所も移動していました、程度の描写しか出来なかったからだろう。
ちなみに、日本映画では「電送人間」というのがあるが、あれは電送機のある場所にしか移動できない。
「ウルトラマン」が瞬間移動する場面があったと記憶するが、頭の方から光の輪が下がっていくのに合わせて徐々に姿が消え、移動先には同様に頭の先から順番に現れてくる、という描写だったんじゃなかったかな。
当時の電送写真のイメージなんだろう。
スピーディーなものではなかった。
この映画の≪ジャンプ≫の描写は、その点、スピード感もあり、悪くない。
この映画での≪ジャンプ≫の設定としては、実際に行ったことがあるか、写真などによって具体的にイメージできる場所にしか移動できないとか、固定されたものによって拘束されていると移動できないとか、いくつかある。
≪パラディン≫という組織のメンバーは、そうした≪ジャンプ≫の特性を利用して、≪ジャンパー≫を抹殺してきたわけだが、逆に言うと、そうでもしないと≪ジャンプ≫能力を持つ側が圧倒的に有利になって、闘いが成立しない。
さらに、闘いを成立させるために、≪ジャンパー≫が≪ジャンプ≫した後にできる空間の裂け目を固定するマシンを登場させ、≪パラディン≫の戦闘員たちが≪ジャンパー≫の後を追ってその裂け目を越えてくるという設定まである。
ここまでやると、ちょっといただけない気がするのだが、≪ジャンパー≫側を主人公にしてしまった以上、≪パラディン≫側にそうしたアドバンテージを与えない訳にはいかない。
その辺がちょっとつらい。
さて、映画の設定上(原作小説があるそうだが、読んでないので、どこまでが元々の設定なのかは知らない)、≪パラディン≫は少なくとも中世には存在していて、魔女狩りを仕掛けたのも彼らだということになっている。
「瞬間移動能力は、神のみが持つべき力である」という宗教的信念のもと、≪ジャンパー≫狩りをやっている。
そういう壮大なスケール観が、ちょっと感じられなかった。
また、デヴィッドの母親が、自らも≪ジャンパー≫でありながら、それを隠して≪パラディン≫のメンバーになっている、という重要な設定がある(映画の最後に明かされる)のだが、この母親が登場するのが、ローマで突然救出にくる時と、ラストシーンだけ。
なんだか妙に食い足りない。
と思ったら、パンフレットの中に、この映画が成功したら、3部作になる予定だとの記述があった。
なるほど、スケール感の不足も、母親の登場の仕方の食い足りなさも、そのせいか。
2作目以降のために出し渋ったのか。
映画が成功して2作目以降も製作できるという自信があるわけですな。
大したもんだ。
監督が「ボーン・アイデンティティ」3部作のダグ・リーマンということで、これは2匹目の泥鰌か?という気にもなる。
そう考えると、すごい能力を持った主人公が、組織を向うに回して、裏の秘密に近付いていく、という同じような流れが見えてしまう。
ということは、恋人のミリーは第2作で死ぬことは決定済みってことか(笑)
主人公デヴィッドを演じるのは、ヘイデン・クリステンセン。
アナキン3部作(っても、出たのは2・3作目だけだけど)に続いて3部作になるか?
その母親役が、ダイアン・レインですわ。
映画で演技しているのを観るのは「ストリート・オブ・ファイアー」以来だ(苦笑)
かつてのYAスターで、私とは同じ1965年生まれ。
思ったほど老けてないとも、さすがに老けたとも、どっちとも言える感じ。
この映画が3部作になるなら、次回作では存在感が増すはずだから、彼女を観る目的で足を運ぶかもしれない。
もし次回作で死んだりしたら、3作目は観ないぞ。

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