億劫な細道
この道は細い上に路駐が多くて配達しにくいんだよ。
例によって、テレビは見られないのでDVDを。
「謎の空飛ぶ円盤」
アメリカ全土で空飛ぶ円盤の目撃が相次ぐ。
ロシアの陰謀を疑うアメリカ政府情報機関のソーンは、マイク・トレントを呼び出し、女性諜報員のヴィーと共に真相を調査するように依頼する。
アラスカでロシアの工作員が活動しているとの情報により、アラスカに送り込まれた2人は、アラスカにあるマイクの実家で既に潜入調査しているはずの味方工作員からの連絡を待つが、味方の工作員は一向に姿を現さない。
業を煮やしたマイクは、単独でジュノーの町に向かい、旧知のマットを探し、情報を得ようとするが……
という映画。
この先のあらすじがまとめ難いので、こんな感じにしたが、この後明らかになる真相というのは、「空飛ぶ円盤はロートン博士が極秘開発したもので、博士はこれをアメリカ政府に売却することを計画していたが、博士の助手のターナーは博士には内緒でロシアにこれを売却しようともくろんでいた」というもの。
1947年のケネス・アーノルド事件をヒントに1953年に製作された映画だそうだが、まだ≪空飛ぶ円盤=宇宙人の乗り物≫という思想に侵されていない時代、というか、宇宙人なんかよりもソ連の恐怖というものの方がリアルだった時代、という感じがしますな。
DVDのパッケージには「世界で最初にUFOをスクリーン・デビューさせたとして話題になった幻の映画」と書かれているが、私としては、この書き方はいただけない。
原題が「The Flying Saucer」なんだから、ここは「UFO」じゃなくて「空飛ぶ円盤」でいかないと。
それはさておき、「幻の映画」になっても仕方がない水準の作品であった。
まず主人公のマイクが、基本的に情けない。
そもそも円盤の存在を信じていないマイクは調査依頼を単なる茶番と考え、真面目にやる気がない。
そのため、アラスカ到着早々、実家の下僕に「お前ロシアのスパイについて知ってるか、円盤を目撃したか」などといきなり自分たちの正体を明かすようなことを言ってしまう。
ところがこの下僕がロシアのスパイそのもので、のっけから不利な状況を作り出してしまうのだ。
自分が知っている昔からの下僕が「失踪した」と聞かされて、新顔の下僕に不審を感じない主人公なんて鈍過ぎるだろう。
それでも、自分でも円盤を目撃してちょっと真剣になり、単独でジュノーに行って情報収集しようとしたところまではいいのだが、マットを探すために酒場を次々に訪ねるうちに泥酔してしまい、せっかくマットと再会し、重要な情報を聞き出したのに、明日また会おうと言ってそのまま別れてしまうって、危機感なさ過ぎ。
おまけに、敵と格闘になる度にのされてしまう。多勢に無勢とは言え、弱すぎる。
まあ、まとめれば「人間的」と言えないこともないが。
そして、映画の大半に動きがない。
74分という短い映画なのに、だらだらしたシーンが多いのだ。
ワシントンから飛行機でシアトルに行き、そこから船でアラスカに向かうのだが、その船旅の描写が長い。
ホエールウォッチングなんかしてる場合か?
そしてマイクの実家で先に潜入しているはずの工作員からの連絡を待つのだが、それがまた長い。
連絡がないならジュノーの町に行って情報収集しようというマイクの提案をその都度ヴィーが命令にないと言って拒否するので、話が進まないのだ。
まあ、その長い時間の間に二人が恋に落ちるという展開もあるのだが。
さらに円盤の隠し場所の情報を得たマイクが、飛行機で氷河を越えた向こうにある湖まで行くのだが、これまた無駄に描写が長い。
しかも、そこで円盤を発見したマイクが一旦ジュノーに戻ろうとして、燃料不足のため自分の実家に立ち寄るのだが、そこで敵に捕らえられて、今度は船と徒歩で円盤の隠し場所に戻ることになる。
氷河の下に秘密の洞窟があって、そこを徒歩で進んでいくのだが、飛行機であんなに長時間飛んだ先にある所に、徒歩で行くって正気かよ。
1950年代だって、もうちょっと緻密なストーリーに出来ただろう。
ちなみに、製作・監督・脚本・主演、すべてマイケル・コンラッドということになっている。
自分で自分を情けない奴に撮るとは、侮れない才能である(笑)









































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